僕は、「すきやばし次郎」に行けたのでしょうか?
2010年 06月 23日
「次郎」は、お寿司の超有名店で、一人3万円、そのうえ接客態度が最悪という評判。そんなオソロシイ所に、由緒正しい貧民の僕が行けるのだろうか・・という内容でした。はたして僕は行けたのでしょうか?
結論。行ってまいりました。
正確にいいますと、「すきやばし次郎・日本橋支店」に行ってまいりました。
さすがに3万円は無理。支店なら5千円で足りる、という情報を得たのです・・・ゴメンナサイ(って誰に謝ってんだか)。

某月某日、午前11時。日本橋高島屋4階。行列はゼロでしたが、外に10脚ほどのイス。その程度の行列は常にあると推測されます。
さあ開店。同行する、映画心理学の権威・清田予紀氏とともに気合一発、一番客として突入したのでした。
「いらっしゃいませ!」、オネエサン(40代前半・美人)の快活な声と笑顔を受け、僕と清田さんは顔を見合わせます。
―――接客態度、悪くないじゃないか。
清田さん、「特選にぎり・3,150円」(にぎりのセットはこの他、4,200円と、5,250円)、僕は「特選ちらし・3,150円」を注文。別々のものを試したい、ということであり、けしてにぎりの落下を恐れてのことではございません。
ほどなくオネエサンのさわやかな笑顔とともに、お寿司到着。ついに「次郎」のお寿司と対面です。本店より大幅に安いとはいえ、通常の倍の価格の「ちらし」です。さぞや・・・・あれ?普通ですねえ。彩り鮮やかではありますが、目を見張るような特長はないように思われます。
清田さんの「にぎり」はと見れば・・・なんか地味だな・・・エッエビがない!僕は大人になるまで、 ウニ・イクラ・トロなどその存在さえ知らず、世の食材で最も高いのはエビだとマジに思ってきました。エビこそ王様。エビこそペレ。そのエビがないなんて!4千円以上なら付くらしいけど・・・1番安いったって、3千円だよ!
やっぱお寿司にエビがないと、華やかさに欠けますねえ。エミーさんが休んだ時のラリアートみたい!?
滅多にない機会。無粋は承知で写真を撮ろう、ということになり、清田さんがオネエサンに
「写真、撮らせてもらってよろしいですか?」
するとオネエサンは、「どうぞ!」、さらにそのあと「ありがとうございます!」だって!
―――接客態度、良いじゃないか!
ついに「次郎」のお寿司が、我が口腔に。・・・さて?
ちらし寿司といえばスーパーのパックしか食べたことがないと告白した上で、感じたことを正直に述べます。
〇 ご飯の量が極めて少ない。いかに少ないオカズで大量の米を食べるかをテーマに〇十年生きてきたワタクシとしては落ち着きません。
〇 ご飯が、ほの温かい。スーパーの冷たいものが標準の僕には、やはり落ち着きません。
〇 マグロ、ふつう。アジ、やや美味しい。イカ、けっこう美味しい。エビ(ちらしには乗ってました)、かなり美味しい。白身魚、甘みが強く、すごく美味しい。アナゴ、ふつう。野菜類、ふつう。たまご焼き・カマボコ、ふつう。栗、ふつうより少し美味しくない。「次郎」自慢のオボロ、よくわかりませんでした。
全体の印象としては、とにかく上品。モノを食べるというより、伝統文化に触れるって感じ。僕のように体育会系体質には、生ものド~ンの海鮮丼の方がフィットしますね。
オネエサンの明朗な「ありがとうございました」の声に見送られ、外へ。にぎりの感想を清田さんに聞いてみました。
「どうでした?」
「・・・・・う~ん・・・・おいしかった、けどね」
「何が一番?」
「・・・・コハダが酸っぱかった」
???「まずかったですか?」
「いや・・・・そんなことなかった、けどね」
話をシャリに替えよう。「次郎」のシャリは、米粒をつぶさないように、フワリ均一に握られているという・・・
「シャリはどうでした?」
「思ったより、固かった」
「ほんと? がっかりしました?」
「いや・・・そんなことない・・・けどね。おいしいことは、おいしい・・・けどね」
とにかく「・・・・」と「けどね」ばかりの清田さんでした。わかる気がする、けどね。
支店とはいえ、行けたことに大満足。とくに恐れていた接客態度は、二重丸。途中、セキこんだ時なんか、すかさず水を持ってきてくれたし、恐縮してしまうほどでした。
でも人間、不思議なものですね。接客の悪さを、ヘンな意味で期待するところがあって、なんかスッキリしない気分。
「次郎」は、本店・支店ともに「味は良いけど接客は最低」が定説。でも僕の実感は、「味は普通だけど、接客は最高」。
・・・ううむ。スッキリしないなあ。
そのあと清田さんと、建設中のスカイツリーを見学に。
浅草から遠望したスカイツリーは、梅雨の合間の青空に向かって、まったくスッキリ、迷うことなくスッキリ、その背を伸ばしておりました。
――――つづ・・・かない。

みるからに上品な、たたずまい。

ね、地味でしょ。
滅多に足を運ぶことのない日本橋のデパートで、
しかも名店の味を楽しむ機会なんて滅多にないことですから、
いやいや貴重な体験でした(^^。
それだけに、もっと大きな感動と新鮮な味覚体験ができると思ったんですが、やっぱり期待を膨らませすぎるのは良くないですね。
そのせいか、感想を問われても、なかなか言葉で出てこなかったですもん(^^;
