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2010もあとわずか。どうやら僕も、人並みに年を越せそうです。
今年もいろいろありました。諸々感謝の意味も込めて、僕および「ラリアート」の今年のニュース・ベスト10をば。
順番つけてもしょうがないので、起こった出来事順に。

1月
「私説・三島音頭」のCDが、三島市図書館に!

f0211837_8345161.jpg去年、三島市広報のTV番組のBGMに採用されたおかげでしょうか、図書館から「CDを置きたい」って吉報。もう嬉しくて嬉しくて。さっそくレンタル一番のりを目指して図書館に向ったところ・・臨時休業! 翌日に行ったハンセン石井に先を越されました。「2番じゃダメですか?」

2月
地口行灯、入選です

f0211837_8362223.jpg地口は江戸時代から伝わる言葉遊び。三島の冬の風物詩です。知り合いにすすめられるまま投稿したところ、まさかの入選! 展示場所が、我らの本拠地「プローベ」の前だったんで、みんなで見に行きました。尊敬してくれると思ったのに、「一番くだらん、情けない」だってサ! 
作品「3台目の掃除機(元句・三度目の正直)」・・たしかにクダラナイ・・・。

3月
空き巣に入られたあ!
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お気をつけください。プロは、まさかの所から侵入します。よく、空き巣に入られると、「お金より、精神的ダメージが大きい」って言いますけど、NO!!  僕は、銭のショックが、いまだに生活に暗い影を落としています・・・。


4月
マラソン、大失速・・・

f0211837_8392969.jpgフルマラソンを走り始めて、もう25年。ここ数年は順調に記録が低下しております。にしても、あまりに情けない、ダントツのワースト新記録。練習は悪くなかったんだけどなあ・・。でも「かすみがうらマラソン」は、派手さはないけど、心暖まる素晴らしい大会でした。

6月
ノサップ2部作CD完成。なんと北方領土へ!

f0211837_8401667.jpg昨秋、「私説・三島音頭」の件でかけた1本の電話が、偶然が偶然を呼んで、根室・北方四島問題のCD制作につながりました。「うーとら」「白い桜」。日ロ友好を歌った「うーとら」は、その後エトロフ・色丹、北方領土2島に渡る、というビックリ中のビックリ!

「フェス・ド・プローベ」始まる
f0211837_841822.jpgエミーさん主宰の「音楽館・プローベ」を会場に、<演奏者も楽しみながら、街を元気に>というコンセプトのもと、ほぼ月一ペースの演奏会を始めました。ジャンルは多種多様。2011の第一弾は、2月11日(祝)。わたくしキャプテン水口の、「25年ぶりの弾き語りソロコンサート」です。お客さんゼロの心配が、現実味を帯びています。助けてください!


8月
嗚呼 ブル様!

f0211837_8422238.jpg伝説の元女子プロレスラー・ブル中野。芸能、スポーツ、男女を問わず、僕が唯一ファンクラブに入った憧れの方。そんな御方にビールを注いでもらう日が来ようとは! 思えば、このブログを見た方が、居酒屋開店の情報をコメントしてくれたおかげです。ブログ始めて良かった!


11月
「みしまさくら」のCDが出来上がりました

f0211837_8425550.jpg三島市の福祉施設「みしまさくら」。長~い、お付き合い。そのテーマソングCDづくりは、以前から頼まれていたのですが、ようやくこの夏から秋、現実のものとなりました。声をいっぱいに張り上げ、踊りながら歌ってくれた利用者さん。果敢に、ハンドベルに挑戦してくれた職員さん。おかげで僕たちの実力以上のCDが出来上がりました。


桑村小学校ドリームコンサート
f0211837_8444687.jpg今年も、たくさんのライブをやらせてもらいました。いずれも素晴らしい思い出ですが、あえて一つあげるなら、この函南町・桑村小が企画してくれたドリームコンサートでしょう。というのも、本当は1年前のはずだったんです。それが悪性インフルエンザで学校閉鎖。今年の1月に延期したものの、再びインフルの猛威で断念。だから秋晴れの空の下、体育館に到着した時は、本当に嬉しかったなあ! おかげ様でコンサートは大成功。その流れで、子供たちと一緒に、第二の校歌というか、愛唱歌をつくることになりました。すでに子供たちから、たくさんの素敵な言葉が届いています。次は僕がメロディーをつくる番。正月休みの宿題です。

12月
「文芸三島」随筆部門、奨励賞をいただきました!

f0211837_8452767.jpg最後にきて、また嬉しいニュース。三島市発行の文芸誌「文芸三島」の、奨励賞をゲットです。タイトルは「うーとら」。根室のCDのお話です。これも自ら応募しようとしたのではありません。「あれは事実そのものが面白いから、そのまま書けば・・」と言ってくれる方がいたからです。やっぱ、人間関係は大切にしなくちゃいけませんね。友だちのいない僕が言うんですから、間違いありません。


以上、今年のベストテンです。あ、それと番外として、このブログを始めたことも!
相変わらずIT原始人の僕ですが、最近は縄文から弥生くらいに進化したかも・・・。このブログを立ち上げ、初日は僕になり替わり文章まで書いてくれた作家・清田予紀さんに、あらためて感謝です。

         ・・・・・・・・・・・・

去年後半ものすごく良かったんで、今年は反動で地味かも・・・まあ分相応をわきまえて・・なんて年頭にメンバー皆で話をしたのですが、なかなかどうして。今年もすごく良い年でした。これも、関わってくれたすべての方々のおかげです。
皆さまの2011が素晴らしい一年でありますことを心からお祈りして、さあ僕は旅に出ます。どこへ? 北へ。
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by G-lariat | 2010-12-28 20:57 | Comments(0)
好き勝手に書いてきたこの仮想対決も、ついに最終回。猪木の荒技にKO寸前だったブル様。しかし謎の男が現れ、再び闘いのエネルギーが注入されました。さあ、あとは勝つだけです。
 
                  ・・・・・・・・・12/18から続く・・・・・・・・・・・・・・・・

電流が走った。・・・うそ・・・幻?
ブルの体に、マグマのような闘いのエネルギーが流れ始めた。

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ブルは、エプロンによじのぼった。猪木はリング中央、仁王立ちで待つ。
ようやくロープをくぐったブルに、猪木は余裕の表情で近づいた。
・・・・何で仕留めるか・・・。
猪木が眼前に迫った時、ブルの右足が低く旋回した。猪木の左太腿の裏を、強烈にヒット。
アリキック?
「おーっと、ブルがアリキックか!?  掟破りのアリキックです!」
1発・2発・3発、重い蹴りを打ち込む。アリキック、アリキック、アリキック・・呪文のように唱えながらブルは、蹴って蹴って蹴りまくった。
「アリキックの雨あられ。何かに憑かれたような凄い連打です!」
最初は驚き、戸惑い、不快な表情の猪木だったが、次第に顔色がなくなっていく。そして、しまった、という顔。
・・・動けない・・・。
「効いてますよ! 古館さん」 山本小鉄が、声を震わす。
「猪木、サンドバック状態です!」
フェイントをいれ、今度は猪木の左膝をめがけ、強烈なローキックを叩き込む。
レフェリーの前田日明が、ハッとする。かつてアンドレ・ザ・ジャイアントとのセメントマッチで放った、あのロー・・・。
猪木の重心が、ガクッと落ちた。
思いがけない展開とクライマックス到来の予感に、5万の大観衆は息をのみ、そしてどよめいた。
次は・・・誰もが思い描いたのは、連続の掟破りで、延髄斬り・・。猪木もそう予測し、身構えた。
だが違かった。一瞬、膝にバネをため、右からの延髄と見せかけてから、今度は左足を大きく高く振り上げた。剛刀の妖しい光が一閃。ブルの左足が猪木のアゴを砕いた。
コーン。乾いた軽い音が鳴り、まるで積み木が崩れるように、あっけなく猪木はマットに落ちた。
「回し蹴り! ふたたび『愛の回し蹴り』が、燃える闘魂を粉砕したあー」f0211837_2029293.jpg
「クリーンヒットです・・・ああこれはまずい・・」

もらった! ブルは迷わずコーナーマットを駆けのぼった。5万人が息を止める。
ブルは跳んだ。
「ギロチーン! 出た、伝家の宝刀ギロチンドロップ!
すかさずカバーの態勢に。しか両足の反動を使い、カウント2で返す猪木。
それは想定内とばかりに、ブルは再びコーナーマットをのぼる。今度はリングを背にし、後ろ向きに立ち上がる。
「ムーンサルトに行くのか・・・」
思い切りよくマットを蹴り、後方に回転する。
「ムーンサルト・プレス!」

ブルの巨体が猪木の体を押しつぶした。
「これで決まりか・・・」
ワン、ツー・・・前田の手が止まる「カウント、2・8!」
3たび、ブルはコーナーマットへ。
「ブル中野、殺人フルコースに残っているのは・・・あの技か! ローリング・ギロチンか!?

だが猪木の闘魂の炎は、完全に消えたわけではなかった。
・・・ブルのフィニッシュパターンとそのタイミングは、長与から聞いている。・・・? 長与はどこ行った?。
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ブルはダイブした。そして今度は前方に回転。
猪木は、ブルが前方回転を始めた時、最後の力を振り絞って脱出を図った。
立ち上がりかけた猪木の目に、さっきブルに近寄った男の姿がうつった。あの時はエプロンの陰で、よく見えなかったのだが・・・・。
! アリ?   モハメド・アリ!?

アリが、なぜここに?
驚愕で、猪木の動きにブレーキがかかる。そこへ、落下のGに回転の遠心力が加わったブルの脚が降ってきた。
グァシャ!タイミングがずれ、アクシデントに近いカタチで猪木に激突。ちょうど延髄だった。
猪木の記憶は、ここで途切れた。

ヨシッ!
ブルは、実に4回目となるコーナーマットに向った。
その頂点に、再び後ろ向きで立ち上がる。猪木のオーラが消えたのは、背中の気配で分かった。
目の前に、5万人の大海原が広がっている。拳を振り上げる者。両手をメガホンにして叫ぶ者。呆然と立ち尽くす者。笑っている者。そして泣いている者・・・。ブルはそのすべてを網膜に焼き付けた。
ありがとう・・・。
両手を、いっぱいに広げた。宇宙の気を取り込むかのように大きく息を吸い、目を閉じた。そして、ゆっくり左右の手の平を合わせる。合掌。
ウォーッ! 伝説の金網ギロチンが甦る。
ブルはマットを蹴った。後方回転・・・2回目のムーンサルトプレス・・・10万の目が、スーパースローカメラになった。
ムーンサルト・・・しかしブルの体に、ひねりが加えられた。後方へ回転すると同時に、横へ回転。完全に半ひねりを終えた体は、空中で仰向けになった。落下のGに回転の遠心力が加わり、さらにひねりがプラス。ブルの脚は、想像を絶する破壊力となって猪木を直撃。その首を断ち斬った。
猪木の鍛え抜かれた体は、一度バウンドしてから、ただの肉のかたまりとなった。
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「ムーンサルト・・・ギロチン・・・ですか?」
山本は、目を見開いたまま答えない。ジャガーは「いつの間に、こんな技を・・」と言ったきり、口をつぐんだ。
「ムーンサルト・ギロチン」
ブル中野、その壮絶なプロレス人生の集大成だった。

ブルは、ゆっくりカバーに入った。まるでアントニオ猪木の体を、愛おしく抱くように。・・・猪木の心臓の音が聞こえる・・・。
「ワン、ツー・・・」前田は一呼吸おく。そして、
「スリー!!」
まさに地を揺るがす大歓声が湧き上がる。レッドゾーンに飛び込み、針を振り切る。すべての音が、それにかき消された。バット、京子、コンドル、アジャが顔をクシャクシャにして、飛び込んでくる姿だけが見えた。

前田が、立ち上がれないブルの右手を優しく取った。高く掲げる。
「勝者。ブル中野!」大観衆に負けない、力強い声だった。
「おめでという・・・」前田は微笑みながらささやく。
「ありがとう・・ございます・・」
「次は俺とやるか」
ブルは笑ったまま、答えなかった。
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リングドクター、セコンドに介抱され、ようやく意識が戻った猪木は、リングを見回し、ブルの姿を捉えた。まっすぐ近づいてきた。目と目が合った。言葉は、ない。ただ右手をそっと出す。ブルはその手を、ぎゅっと握り締めた。
「強いな・・」一言つぶやいてから、猪木は手を離し、リングを降りていった。

そこにモハメド・アリがいた。パーキンソン病で体が小刻みに震え、表情もない。猪木に何かを語りかける。
猪木は、笑った。アリも、笑った――ようだ。
猪木は、アリの体を抱くようにして通路を進む。満員5万の大観衆は、まさかのアリ出現で、パニック状態だ。会場全体から、「アーリ!アーリ!」、「イノキ!イノキ!」の大合唱が起こる。拍手は鳴り止まない。

「アリですよね・・。どうしてアリが?」コンドル斉藤が、ブルに聞く。
「わからない・・。昔、マジソンで会ったことはあるけど・・・。覚えててくれたのかな・・・」
井上京子が、おどける。
「最後はオイシーとこ、持ってっちゃって・・」
みんな笑う。ブルは京子の頭を抱きながら
「アダモ、いいよ。許してやろうよ。だって・・・・だって猪木とアリだよ!」
みんな、うなづく。
「それにサ、勝ったのはこっちだよ!さあ、帰ろう!!」

国立競技場の夜空に、花火が上がった。何発も何発も。
勝者を讃えるその大輪の花を見上げながら、恵子は思った。
「もう、ブル中野に戻ることはない」--と。

   ・・・・・・・・・終り・・・・・・・・

とにもかくにも、完結することができました。「ムーンサルトギロチン」は、夏に「中野のぶるちゃん」でご本人から伺った幻の必殺技です。酔っ払ってましたんで、正確なことは覚えていないんですが、たぶんこんな感じではと想像しました。違ってたらゴメンナサイ。
シロウトの勝手な長文を楽しみにしてくださった数名様。心から感謝!この仮想対決はこれでオシマイですが、現実のブル様は中野にいらっしゃいます。2011年も、僕の「ブル様への道」は続きます。ブル中野の栄光よ、永遠なれ!
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by G-lariat | 2010-12-26 06:47 | Comments(2)
f0211837_20485175.jpgいろんなことがあった今年ですが、「フェス・ド・プローベ」がスタートしたことも大きかったですね。

これは、「音楽館プローベ」を主宰するエミーさんが、<演奏者が楽しみながら、街を元気に>というコンセプトで始めたものです。
数を重ねて、はや6回目。今年の締めくくりは、エミーさんもメンバーに名を連ねるプロ・ハンドベルチーム「SHELLY」のクリスマスコンサートです。

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ステキなポエムと、キャンドルの灯かりから,コンサートの幕が開きます。
そして、「SHELLY」の、それはそれは美しいイングリッシュ・ハンドベ゙ルの音色。心洗われる音色が、聖夜の会場いっぱいに響きます。
洗練された高度な技術。めまぐるしくベルを持ち替えるのですが、それはまるで2本の手が華麗な踊りを踊るよう・・。
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一服タイムに、本日のゲスト、僕たち「ラリアート」と、コーラスの「フェリーチェ」。今年後半、ほとんどのライブで演奏してきた「グッドナイト・アイリーン」と、クリスマスソングの定番「もみの木」。今日はエミーさんから、アホな話は固~く禁じられておりました。
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                       出番直前、衣装のポケットに手を入れたら、こんなものが。

                         「くちびるに歌を。 ステージ衣装に防虫剤を!」



       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて来年の「フェス・ド・プローベ」です。
1月はお休みにして、2011年の第一弾は2月11日(祝)、なんとなんと私キャプテン水口の
「25年ぶりの弾き語りソロライブ」を決行いたします! 
このブログをご覧の奇特な皆さま。奇特ついでに、ぜひぜひ会場に足をお運びくださるよう、伏してお願い申し上げる次第です。友だちのいないボク。お客さんゼロっていう現実的不安が・・。(エミーさんに会場費を払わなきゃならんし・・・)。
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by G-lariat | 2010-12-24 20:22 | Comments(0)
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三島市刊行の「文芸三島」
その随筆部門で、あれまびっくり
「奨励賞」を受賞しました。

タイトルは、「うーとら」
今年前半、集中して取り組んだ「ノサップ2部作」CDのお話です。

応募のきっかけは、三島ホタルの会・S会長のおすすめ。
「水口の文章力はともかく、あれは事実そのものが面白い。そのまま書けば、良いセンいくかも」。たしかに、三島のご当地ソングの件でかけた1本の電話が、根室・北方四島問題のCD制作につながり、完成したそれがエトロフ島や色丹島に渡ったんですから・・・まさに「風が吹けば、桶屋が儲かる」。


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先日の表彰式。賞状を、この日で退任される市長さんから受け取り、なんとも晴れがましい気分でした。

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三島近郊の皆さま。市内書店にて1冊600円で販売しているそうですが、図書館にも置かれています。ぜひお手に取り、162ページをお開きください。他の方の作品と違い、圧倒的に平仮名が多い僕の「うーとら」が、そこに載っています。



自慢げでちょっといやらしいんですが、選者・久保田松幸先生の選評が大変嬉しかったので、抜粋して1行だけ、ご紹介させてください。
「・・・・・『ひょうたんから駒』の奇跡にも似た、三島市議のS氏も絡む胸のすくような実話ものがたり・・・」

胸のすくようなジンセイを送っていない僕には、本当に有難い、胸のすくような選評でありました。
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by G-lariat | 2010-12-21 21:10 | Comments(0)
* 前回は、猪木必殺の卍固めが決まったとこまででした。さあ我らがブル様、どう脱出するか? しかし卍は凄い技ですね。アパートで一人、のたうちまわってあれこれやってみましたが、どうにも抜け出す秘策が見つかりません。で、12/11、かねてから「中野のぶるちゃん」に行く予定だったので、そこでブル様ご本人に伺おうと思ったわけです。ところが、まさかの顛末(ぜひ12/12の欄をお読みください)。結局、自分で考えることに・・・。

・・・・・・・・・・・ 12/5からつづく・・・・・・・・・・・・

「ブル、ピンチ! ブル中野、絶対絶命です!!」
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全身が悲鳴を上げる。
ああ・・・あのタイミングで仕掛けるなんて・・・さすが猪木さん、やっぱ憧れただけのことはある・・。
体中の肉と肉、骨と骨がバラバラになりそうな激痛に見舞われるが、同時にブルは何ともいえない心地良さも感じていた。
わたし、負けるのかなあ・・・。卍で負けるならいいか・・・。全女に入門した日のことが脳裏をよぎる。プロテストに合格できなかったこと、紅しょうがで1週間過ごしたこと、巡業、いじめ・・・。社長、ダンプさん、チコさん・・・。
! チコさん!
NO!! 負けられない!
負けちゃダメ! 勝つの! どんなことしても勝つの!!

もうろうとする意識。目の前に、首に絡みついた猪木の足があった。
「アーッ!」 猪木が声をあげた。
「噛みついた!なんとブル、猪木のふくらはぎに噛みつきました。恐るべき女の執念ー」 放送席で古館が立ち上がる。
猪木の力が一瞬抜け、ついに体勢が崩れた。

だがダメージの大きいブル。猪木は鬼の形相で迫る。
「猪木怒った! ブルの象徴、女の命の髪をワシ掴みして、引っ張り起こす。そしてー」
弓を引く、ナックル! がっくり腰を折るブル。猪木は真後ろから腰を抱え、クラッチ。
「ジャーマン、いくかー!」
セコンドのカール・ゴッチの目が光る。
しかしブルは無意識に反応した。道場で何度も何度もシュミレーションしてきた動き。猪木の左腕を取ると同時に一気に反転、そして腰を落とす。
「おーっと、ワキ固め! 起死回生、晴天の霹靂のワキ固めです!」
敵セコンドで、藤原嘉明がニヤリとした。
決めてやる・・・こん身の力で決めにかかるブル。しかし猪木の関節は、モンキージョイントと呼ばれるほどの柔軟さだ。苦痛に顔をゆがめながらも、じりじりとロープに迫る。
「ブレイク!」レフェリー前田日明は、ブルの肩をたたいた。
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場外へ力なく落ちる猪木を見て、あわてて藤波らセコンド陣が駆け寄る。
勝負! ブルは反対側のロープへ走った。反動を利用して加速する。
「トペか? ブルがトペにいくのか?」
ちゅうちょはなかった。ロープの間を飛び抜けた。トペ・スイシーダ。巨大な人間ロケットの発射だ。
だが猪木は読んでいた。セコンド陣とともに、すばやくかわす。目標を失った人間ロケットは、鉄柵に向って一直線! 危なーい!! ブルは目を閉じた。
セコンドの中で、一人だけ違う動きをした者がいる。
ガッシャーン! 凄まじい激突音。だがブルが感じたのは、鉄の硬さではなく、肉の柔らかさだった。
「何ということだ。ブル・ロケット、長与千種に誤爆です!」
倒れた鉄柵とともに、もつれる両者。ブルは長与を見た。
チコさん、わざと・・? 守ってくれたの・・?
長与は目を閉じている。かすかな、微笑み・・。
チコさん・・・ブルは長与に気持ちを残しつつ、立ち上がり、猪木が待つリングに向った。

相内のタクシーは、ようやく国立競技場に着いた。初老の大柄な男とその連れは、慣れない手つきで金を払い、車を降りた。相内は、ホッと安堵のタメ息をつく。全身に汗が流れた。

「45分経過ー」リングアナの声。
リング上は、ラフな展開になっていた。ヘッドバット、エルボー、ストンピング・・・互いに逃げない、かわさない。
意地と意地のぶつかり合い。集音マイクを通して、ゴツゴツという音が響く。

長与千種は、出口に向っていた。リングサイドを離れたことは、誰も気づかないようだった。藤原嘉明が、意味深なウインクを送ってきただけだった。
ブルは勝つ。あの子のあの目は、勝つ時の目。
これでいい。おめでとうって言ってやりたいけど・・・会えば泣いてしまいそう。
このままでいい。嫉妬心だって、ないと言えばウソになる・・・。
さあ、私はどこへ行こう・・・。
ちょうど出口で、二人連れの男とすれ違った。数歩進んでから
?  大きい方の人・・・まさか・・・。あの顔は・・・でも・・・。
振り返った時は、もう男の姿はなかった。

f0211837_18101151.jpgナースステーションで、由美は加奈子を怒鳴っていた。
「なんで気づかないのよ!」
「だって・・・」 加奈子も戸惑いを隠せない。
「とにかく先生に電話しなくちゃ。カナ、携帯の番号わかる?」
「たぶん・・・ちょっと、待って」
「ったく。なんで末期ガンの患者がプロレスなのようー」

「60分経過ー」
闘いの舞台は場外に移っていた。場外乱闘なら、デスマッチの女王・ブル中野に一日の長がある。イス、机、鉄柵を巧みに使って、猪木に襲いかかる。ひるんだ猪木の首をつかみ、鉄柱へ!
ゴーンという鈍い音がし、猪木は崩れ落ちた。

リングに戻ったブルは、バット吉永から受け取ったヌンチャクの演舞! 5万の大観衆は、万雷の拍手。そしてウェーブが起こる。

猪木はフラフラとエプロンに上った。目の焦点が合っていない。
ブルは、右腕をしごきながら突進。ロープごしのラリアットを狙う。IWGP決勝、H・ホーガンのアックスボンバーに失神した悪夢がよみがえる。体重を乗せ、ブルは右腕を振った。
だが、猪木はこの瞬間を待っていた。ブルの右腕を両腕で取るや、体を思い切りひねる。
「ウァー!!  トップロープごしの一本背負いッー」
あまりに危険な荒技に誰もが息を止める。もつれて場外に落ちる両者。
ダーン!!  凄まじい音とともに、ブルは床に叩きつけられた。
猪木は一気にコーナーポストへ駆け上がる。f0211837_18105274.jpg
「おーっと、猪木がプランチャーか?」
猪木は跳んだ。プランチャーではない。膝を鋭く曲げる。
落差5メートルのスーパーニードロップが、ブルの胸に突き刺さった。

動かないブル。万事休す――。
ああ・・・鎖骨、折れちゃった。神取戦で痛めた古傷・・・。

その時、通路の陰から一人の大柄な男がゆっくり近づいてきた。パーカーのフードで顔はよく見えない。係員もセコンドも、無言の男に威圧され制止できない。
片膝をつき、倒れたままのブルをのぞきこむ。そして何かをささやく。
ブルは消えかかっている意識の中で男を見た。目と目が合った。
電流が走った。・・・うそ・・・幻・・・? 
ブルの体に、マグマのような闘いのエネルギーが流れ始めた。

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

* 長与千種さま、およびファンの皆さま、ごめんなさい。末期ガン患者にしてしまいました。あくまでシロウトのシュミレーション駄文ですんで・・・。万が一「中野のぶるちゃん」でお会いした際は存分にご馳走します、どうかお許しください。
さあ、あとはブル様、勝利に向ってまっしぐらであります。あと1回。どうにか本年中に完結できそうです。
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by G-lariat | 2010-12-18 08:18 | Comments(2)
静岡県三島市在住の歌人・君山宇多子さんから、新作の短歌集が届きました。
「謹呈」の文字が、なんとも嬉しいものですね。
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君山さんは、大岡博(詩人・大岡信の父)の系譜、「濤声」の同人。15・6年前に知り合いました。
もっとも、その時は歌人としてではなく、「語りべ」として。
たった一人で舞台に立ち、物語る。ただそれだけ。それだけで、見事に観客を異次元へと誘ってくれます。究極の芸といえるかもしれません。

僕は、短歌の素養はまったくありません。けれどこの歌集を読み進めていくと、君山さんが日常の一瞬一瞬をとても大切にして生活されていることが伝わってきます。
見逃してしまいがちな何気ない情景。それを感性鋭く切り取ることで、今度は読み手の心に、別の波紋のようなものが広がっていく気がします。

もともとは現代詩を、創作されていたとのこと。短歌に「転向」されたのは、五・七・五・七・七の「抑制」に魅了されたからだそうです。たしかに、省略されているからこそ、無限に広がる世界があるのかもしれません。
ふだん口数が多く、ブログでもやたら文字数の多い僕は、ひたすら(ハゲ)頭を掻くばかりです。

シロウトながら、とくに印象深かった作品をいくつかご紹介します。横書き、ゴメンナサイ。


速報が電光板を通り過ぎ日ぐれを歩む寡黙なる群

時間かけ証明問題解き終へてプライド高き少年となる

雪深き土地が人柄つくるといふ辛抱づよきを時に寂しむ



* 歌集「時の使者」についてのお問い合わせは、
  短歌新聞社(TEL 03-3312-9185)まで
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by G-lariat | 2010-12-16 18:41 | Comments(0)
ライブもうまくいったことだし、一人打ち上げの意味も込めて、初詣の前にブル様詣
今日は東京に用事はないので、ただそれだけのために新幹線。
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いつものように5時45分、JR中野駅で待ち合わせ。
いつものように、映画心理学の清田予紀サン。
そして前回から加わった、お笑い系の放送作家・あきみのるサン。

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いつものように、「サンモール」を真っ直ぐ進みます。
師走。いつも以上の賑わいです。


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ぶつかった所が、「ブロードウェイ」。いまや中野の観光名所ですね。
いつものように、ここを右折。
呑み屋さんひしめく通りを少し行き、「ふれあいロード」を左に曲がれば・・・
「中野のぶるちゃん」はもうすぐそこです。

あと5メートル。いつものようにブル様が、優しい笑顔で迎えてくれるはずです。
ほら、あと3メートル。
1メートル。
さ、着きました。

エッ!? うっそー!! 
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準備中とか臨時休業とか、そんな生やさしいのじゃなく、営業そのものをやっていない様子。
ウソだろ・・・。
最近よくテレビに出るようだし、芸能界進出? まさかまさかのカムバック?
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もう、お目にかかれないのだろうか・・・。
心は千千に乱れ、呼吸は荒くなり、足元は一人首都圏大地震で崩れてゆきます。

トム・パクストンの「THE LAST THING ON MY MIND」が聴こえてきました。
       ♪ 空が青すぎるのだよ 君はもういない
        何も変わらないのに 君だけがいない
      サヨナラも言わないで 行ってしまうなんて・・・

サトウハチロー作詞、加藤和彦作曲の、あの名曲も聴こえてきました。
        ♪ 悲しくて悲しくて とてもやりきれない
           この限りないむなしさの 救いはないだろうか

冬の到来を告げる寒風がぴゅうと吹き抜け、男3人ぼう然と立ち尽くしたのでありました。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやあ本当に驚きましたが、問い合わせたら、移転のための準備中なんだって。すぐ近所で、年内には再オープンするとのこと。中年男3人はホッと胸をなでおろしました。


       ・・・・・・・・

ジェットコースターのごとく上下した気持ちをしずめるべく、全国チェーンの居酒屋へ。
いまや注文は、タッチパネルなんですねえ。間違えないし、ある意味親切なんですけど・・・。
同じビールでも、ブル様に注いでもらったビールの方が、何倍も美味しいと思いました。
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by G-lariat | 2010-12-12 20:32 | Comments(0)

めぐみサン、出番です!

忘年会シーズンです。某病院グループの忘年会に、ゲストとして呼ばれてきました。
忘年会、といっても、結婚式場の大ホールでの大規模なもので、ちょっとビックリ。
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諸事情により、本日は僕とエミーさんのユニット、
恵水=めぐみ」。
以前からこのユニットで、ちょこちょこ演奏してきてはいたのですが、名前がありませんでした。それがようやくこの秋に命名。エミーさんの本名の「恵」と僕の「水」を一文字ずつ。本拠地の静岡県・三島市は清流の街、という意味も込めました。


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「うす汚ねー男二人がいないことだし、今日はオシャレで上品にやろう」と言う僕に、エミーさんは微妙な表情。
「なら、まずリーダーが休めば」ってか?



                   ただいま準備中。このあとエミーさんは、
                   ゴージャスな黒いドレス
                   にお召しかえ。
                   僕の衣装は・・・どーでもいいですね、
                   ハイ。

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二人だけだと、セットもコンパクトで
実に楽です。
「色男 金と力はなかりけり」
僕の場合、あと「オンナ」と「友だち」と
「将来性」もありませんけど。




一杯はいれば誰も聴いてくれないものと覚悟していたのですが、どうしてどうして。とくにご年配の方々のテーブルは大いに盛り上がってくれ、嬉しくなりました。

看護婦さんも大勢いらしてたはずですが・・・白衣じゃないので僕は冷静でしたね。
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ありがたいことに、僕たちの御席まで用意されておりました。和洋中のフルコース(正面のお皿にのってた刺身盛り合わせは、すでに胃袋)。「水口さん、こんな豪華なもの食べられないでしょ、写真写真!」とエミーさん。でも今思うと、実に情けない「本日のゲストミュージシャン」の姿ですね。


締めくくりは定番のビンゴゲーム。僕たちも参加しました。友だちがいなく必然的にパーティ経験が乏しい僕を気づかって、エミーさんはビンゴのルールを親切に教えてくれますが・・・・ビンゴくらい知っとるワイ! 岡山寄りの広島県。そりゃ備後。



PS. 今年最後の「フェス・ド・プローベ」は12/23(祝)
ハンドベル・シェリーによる「クリスマス・コンサート」です。
キャンドルを灯して、本格的クリスマスナイトを演出。
友情出演は、僕たち「ザ☆楽団ラリアート」。ムードをこわさないように、演奏したいと思っています。
詳細は、「音楽館プローベ」まで。TEL 055-994-9078
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by G-lariat | 2010-12-11 08:00 | Comments(0)
* 前回は、猪木のセコンドに長与千種が、ってところでオシマイでした。僕の脳内遊戯を楽しみにしてくれている奇特な数名様、お待たせいたしました。いよいよ闘いの時です。でもこれだけ長~くイントロ引っ張っといて、秒殺・1行で終り、だったら怒るだろうな・・・。大丈夫。話が長いのが、僕のイイとこです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/23からつづく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チコさん・・・なぜ?
ブルに衝撃が走る。そこで運命のゴングが鳴った―――。

カーンという乾いた音とともに、猪木はスッとリング中央に進み出た。
ブルは・・・動かない。相手コーナーの長与を見つめている。視線が合った。・・・どうして?
客席にも動揺が伝わる。
「中野さん!」京子のゲキに我にかえったブルは、「ヨシッ」と小さくつぶやいて猪木の待つリング中央へ。f0211837_20193295.jpg

「さあ、本当に始まってしまいました。世紀の一戦、ファーストコンタクトは何でありましょうか!?」
放送席の古館は、おなじみの口調であおる。
チコさん・・・ブルが一瞬長与に目をやった時、ピシッ!
「張り手!ファーストコンタクトは猪木の張り手だー!」
不意をつかれ頭を下げたブルに、猪木は体を浮かせた。
「延髄! 早くも延髄斬り炸裂!」
前のめりにマットに崩れるブル。すかさず猪木は追い討ちをかけようと迫った。しかし――。
「ストップ! ダウン。ストップ!」 レフェリーの前田が両手を広げて猪木を止める。
ぐっ。悔しそうな表情を浮かべる猪木だったが、さすがに相手が前田ではそれ以上進めない。
いいぞおーマエダ! 客席から声が飛び、拍手が起こる。
ファイブ、シックスー・・・微笑みを浮かべながらブルは立ち上がる。
吹っ切れた。吹っ切れたよ、これで!

「ファイト!」前田が戦闘再開を促す。
そのせつな――今度はブルの右足が、しなやかに弧を描いた。
バシーン! 猪木の長いアゴの先端を打ち砕いたのだ。腰が砕けるように後ろに倒れる猪木。
「山本さん!」
「・・・ムエタイの回し蹴り・・・ですか?」
ジャガーが引き継いだ。「ブルの若いダンナさん、ムエタイの選手だから・・・」
「おおそうでした、そうでした。夫唱婦随。ブル中野、愛の回し蹴りであります!」f0211837_1735307.jpg

無様にダウンした猪木は動かない。
「シックス、セブン・・」カウントが進む。
呆然とするセコンド。ざわめく客席。・・・・まさかこれで終りでは・・・。
「どうした猪木! 立てないか。 これは、あっけない幕切れというべきか、壮絶な結末というべきか」
エイト、ナイン・・・ここで前田は猪木を抱き起こし、言葉をかける。やれますか?やれますか?
厳密にいうなら、すでにテンカウントだ。ブル秒殺の勝利。しかし前田はカウントを止め、闘いの続行を促している。プロレスでは、いつものシーンだ。・・・・そして猪木は立ち上がる。
国立競技場の全員が、前田の気持ちを理解した。今日は、心ゆくまでプロレスをやらせたいのだ。いや超一流の二人には、プロレスと格闘技に線を引くこと自体、無意味に思える。力の限り、技と魂をぶつけあう。その姿を誰もが目撃したいのだ!
マエダ、いいぞお!――再び前田に声援が飛んだ。

視線の定まらない猪木に、ブルは襲いかかる。チョップ、ストンピング、ストンピング。プロレス流の蹴りを見まう。たまらず猪木は、場外へエスケープ。

同じ時刻――。相内は、いつものようにタクシーのハンドルを握っていた。空港から乗せた初老の男性二人を国立競技場まで運ぶ。しかし相内は、いつになく居心地の悪さを感じていた。長身の男のせいだ。一言もしゃべらない。それどころか、気分が悪いのか、小刻みに体を震わせている。
吐くんじゃないだろうな・・掃除が大変だぞと心配になる。しかしこの息苦しさは、その不安だけではない。この男の発する圧倒的な威圧感が、車内に充満しているのだ。バックミラーで確認する。鏡の中で、連れの男と目が合う。思わず目をそらし、スピードを上げた。とにかく早く代々木に着けよう・・・早く解放されよう・・・。
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「15分経過ー」リングアナの声が響いた。
試合はグランドの攻防に移っていた。細かい技の応酬が続く。
二人とも柔軟で、巧みだ。決まらない。決める一歩手前でセーブしているのではなく、本当に決められないのだ。微妙なポジション取りや体重移動で決定的ポイントをはずしていく。地味だが見応えのある展開。
「山本さん、こう着状態ですかね・・」
「いや・・・これこそプロレスの原点です。正直いって私はブル選手のことをあまり詳しく知らなかったのですが・・・素晴らしい・・・」
ジャガーが応える。
「ブルは新人のころ、ほんとに下手クソだったんです。だからそのぶん、人の何倍も練習して・・・。極悪同盟でダンプの下にいた時のイメージが強いでしょうけど・・・ブル中野は最高のテクニシャンであり、最強のストロングファイターですよ」

プロレスは相手の技を受けるところから始まる。そこが他の格闘技と違う点だ。受けと攻め。それを積み重ねていって、フィニッシュに向う。しかしそれは積み木と同様、いつ崩れるか分からない。無難に最後まで進むのか、それとも突然のハプニングで思わぬ事態が発生するのか・・・それを史上最もスリリングに表現したのが、アントニオ猪木だろう・・・。

その頃、都内某大学病院。由美は、ナースステーションに戻りかけていた。まったくもう、あの患者は・・・いつだってそう。緊急呼び出しで駆けつけてみれば、あの程度のこと。
怒る気持ちとホッとする気持ちで部屋に戻ると、同僚の加奈子がドーナツをほおばりながら雑誌を見ている。つけっぱなしのテレビ。見ないんなら消せばいいのに・・・そう思いながら何気なく画面に目をやった由美は、「うそ・・」。いま映った人、長与さん・・・? 3日間の外泊許可だから実家に帰るのかと・・。でも今のは確かに。
お願い、もう一回映して。早く。ほら早く。ああイライラする・・・。
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「30分経過ー」
猪木は自らロープへ走った。ブルも反対側のロープへ。交差したリング中央で、猪木はフライングメイヤー。もう一回。そしてスリーパー。体をひねって逃れたブルは、背後から猪木の首へエルボー、エルボー、エルボー。前に崩れる猪木を一気に抱え上げ、こん身のパワーボム! しかしカウント2。
猪木は、2発目を狙ったブルの腰に回り込み、バックドロップで投げ捨てる。起き上がるブル。その左足めがけ、気合もろともアリキック、アリキック、またアリキック、そして2回目の延髄斬りだー! 
5万人が総立ちになる。「イノキ、イノキ!」「ナカノ、ナカノ!」の大声援がこだまする。
片ヒザを付きながらも、ブルは冷静だった。猪木さんのパターンは、ここで卍。私はその右足を取ってドラゴンスクリュー、そこからヒザ十字・・・。
しかし猪木は違う動きをした。前かがみのブルの首をフロントから抱えると、そのまま一気にブリッジ!ブルの巨体が宙を舞い、キャンバスに叩きつけられた。
「おーっと!今の技は?」
アントニオドライバー・・・です。猪木さんが新人の頃の得意技ですよ!今になってこの技が見られるとは・・・」
カウント2・5で何とか返したブルだが、ダメージは大きい。
なに?今の・・・。集中力が、一瞬途切れた。不用意に立ち上がりかけたブルの左足に、猪木の右足がからみついた。
しまった! ここで卍か!!

「まんじ!まんじ!卍固め!」古館が叫ぶ。
こん身の力で締め上げる猪木。
「ブル、ピンチ! ブル中野、絶体絶命です!!

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ つづく ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

* 我らがブル様、大ピンチです。でもね、最後は幻の必殺技で勝つのです。てことはこの卍地獄から無事脱出するわけですが・・・実はまだその方法が思いつきません。で、さっきから僕は「卍をかけられた人」のカッコになって、一人でバタバタゴロゴロやってるのです・・。
しかしナンですね。どーみても、いい歳こいたオジサンのやるカッコじゃないな。俺、たいした大人にゃなれなかったなって、つくづくそう思います。
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by G-lariat | 2010-12-05 17:32 | Comments(2)
この楽器は、フラット・マンドリンといいます。マンドリンといえば、普通はビワの形をしたものを想像しますが、これはご覧のとおり、薄く平らなボディです。だから「フラット」。アメリカ生まれで、主にブルーグラスやカントリーミュージックに使われます(こいつは国産ですよ!)。
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普段のライブではそれほど多くは使いませんが、他の人のバッキングを頼まれた時なんかは、大いに働いてくれます。

この優雅な曲線! 数多い楽器の中でも、際立って美しいルックスだと思います。

先週の小学校でのコンサートの時、子供たちにも話したのですが、この楽器の誕生には一つの伝説があります。
アメリカン・ドリームを夢み、ヨーロッパから多くの人が移民として渡っていった頃。いつの時代にも音楽バカはいるものです。新大陸でもマンドリンを弾きたい! でもギューギューづめの移民船、丸くてカサばるマンドリンなんてとんでもない。でも弾きたい! ええい、ボディを切っちゃえ!
そうして薄っぺらくして、荷物の隙間に押し込んで持っていったのがこの楽器の始まり・・・というのです。
ホントかどうかは知りません。でも、ちょっと愉快な話でしょ!

さて、僕ならそんな時、何を持っていくだろう・・。
あなたなら、何を持っていきますか?
「そりゃやっぱ、『いいちこ』か『トリス』だっぺ」
って、棚井さんが言ってました。
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by G-lariat | 2010-12-03 21:08 | Comments(0)

「三島市観光PR大使」       ザ☆楽団ラリアートの活動報告をメインに、平和な日常を・・・ 


by G-lariat